団地育ちとしては観なければ!と思いレンタル。
阪本順治、藤山直美、岸部一徳という堺市、大阪市、京都市の関西政令指定都市代表の大御所による作品。
この関西政令都市の大御所に、くそじじい役をやらせたら現在日本代表の石橋蓮司(永く演じてほしい)が加わって、高齢化の進む団地での摩訶不思議な出来事・ファンタジーを描いている。
関西風ということで、カット毎に関西らしい「落ち」「ボケ・ツッコミ」をちりばめるという小細工もある。
最愛の一人息子を亡くして生きる力を亡くした高齢夫婦がある力によって再生するのを「団地」という摩訶不思議な集団生活を舞台に描くという非常にチャレンジグな作品である。
難をあげれば、藤山のこてこての大阪弁は、団地のおばはんを通り越してすでに船場の商人レベルなので少し違和感が残った。
とはいえ、観る者に最期湿った感動を与える暇なく迎えるエンディングは粋だと思う。