すごい変な映画だった。『団地』というタイトルがすでに詐欺的というか、別に団地全然関係ねえっていうか、後半にいくにつれ時空がねじれて最終的に描こうとしているものの規模のデカさに圧倒される。
さっきまでさんざん言ってた自治会長だの漢方だのはなんだったんだと思う。が、息子の事故死を俎上に上げて、眉間にしわ寄せながら生とは、死とは・・・と小難しい哲学を語ることはせず、あくまでカラッとした語り口がすごく良かった。あと漢方の作り方は観ていて純粋に興味深い。
斎藤工の無駄に丁寧な発音や無理がある言い間違えも「伏線」というほど大袈裟な装置ではなくて、物語にちょっと取っ掛かりを生じさせる、いい感じの違和感だった。
こういう切れ味のいい邦画を観ると嬉しくなっちゃうな。もう頭からガッチャマンの歌と「効果きしめん」が離れない。