ShotaOkubo

ポンヌフの恋人のShotaOkuboのレビュー・感想・評価

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)
5.0
カラックスにとって、愛の歓喜は喪失の恐怖を前提として成り立っている。その上で愛と恐怖を映画的な運動へと昇華してみせる。そんなカラックスの試みが最も美しく結実するのが「ポンヌフの恋人」である。この映画の白眉は、ポンヌフ橋における狂乱のダンスである。花火の爆発音と閃光に刺激された身体は、内にあるものを残らず発散させるような運動を通じて、モーションがエモーションへと姿を変える。これを映画と呼ばずに何と呼ぶのか。
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