ウィショウスキー

ポンヌフの恋人のウィショウスキーのレビュー・感想・評価

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)
4.6
“誰もいない、俺に忘れ方を教えてくれるのは”

このセリフが頭から離れません。J-POPの歌詞にありそうなセリフですが、すごく切ないシーンで忘れられません。

忘れなくていいんだよ。よかったじゃない!ってずっと心で思ってます笑

いわゆる運命の人はどんな環境に居ても、どんなに壊れそうでも、やっぱり最後にはその人のところに戻ってくるのだと思いました。

ポンヌフの橋の上でアレックスとミシェルが笑いあって、花火を眺めるシーン。
ミシェルが帰ってこなかった時のアレックスが自分で傷つけたお腹のシーン。
ミシェルの捜索願いのチラシを必死に剥がすアレックスのシーン。
そして、2人が冬の川に落ちたシーン。

全てのシーンが、美しくて楽しいシーンもたくさんあるのに何故かずっと寂しさが漂う。幸せになる話なのになぜか切ない、そんな矛盾した気持ちになるストーリーでした。

主人公2人の演技がとても好きです。飾らないで自然体すぎるままに笑って泣いて転げ回って…。

幻想的で芸術的で感傷的な2時間でした。