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ポンヌフの恋人のriesz77のネタバレレビュー・内容・結末

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

『汚れた血』とは打って変わって別人のジュリエットとドニ。特にジュリエットビノシュは前作では絶世の美女だったのに、この作品では少し小汚い家出娘を演じる。
ホームレスのドニが、彼女が橋から離れていかないように、せっかく貯めたお金を川に落としたり、街中に貼られている彼女のポスターを燃やして回る。
究極の純愛映画というより、アレックスの純粋さに胸が熱くなった。女慣れしていない不器用でストレートな愛情表現。

製作費8億円の予定が、橋での撮影期間が延長できなかったことで新たに橋を作ってしまったこと、花火や放火など派手な演出が多く、32億円にまで膨れ上がったことが原因で、フランスでは呪いの映画と呼ばれてるらしい。

橋で酔っ払う
2人で踊り狂う
急に打ち上がる花火
水上ボードで川を疾走

この一連のシーンがすごく良い!地下鉄の通路に貼られているポスターをすべて燃やすシーンも幻想的だった。莫大な費用に見合った場面が多い。それに『汚れた血』で共演した2人を別作品で観ることができ、満足度は高め。

完成した2人が橋の上で再会して、以前のように過ごす場面も良かった。無邪気にはしゃいで、くだらない話で笑う。終わりかたもタイタニックみたいでハッピーエンド。ちなみにこっちがオリジナル。
元々バッドエンドで終わる予定だったのが、ジュリエットと撮影期間中に別れてしまったレオスカラックス監督が、彼女のためにハッピーエンドに変えたらしいです。いい映画でした。映像が最高!
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