寝木裕和

Cu-Bop(キューバップ)の寝木裕和のレビュー・感想・評価

Cu-Bop(キューバップ)(2015年製作の映画)
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政治的な理由で、二つに分け隔てられた音楽家の人生。
一つは故郷に残ってその土地の仲間たちと音楽を創造し、またもう一方は慣れぬ土地で出会った同志たちとゼロからそれに勤しむ。

そしてその二つが邂逅した時、初めはそれぞれがそれぞれに対して思う内なる葛藤もあったのだろう、辿々しい雰囲気であったのだが。
しかし、一度音を鳴らし奏で合えば、ほどなくして共鳴し、魂が躍動し合う。

そんな奇跡の瞬間を抑えたドキュメント。

この度、高橋慎一監督の新作(『the FOOLS 〜愚か者たちの歌〜 』)の公開に合わせて、都内某所にて1日限定で再上映していたので久しぶりにこの作品を観た。

セサル・ロペスと、アクセル・トスカ。
まったく種類は違うが、どちらも天才であることは間違いない。
そこに至るまでに、異なった道を歩んできたとは言え、とてつもない努力を積み重ねてきたであろうこともまた、この作品から垣間見れる。

やはり後半のキューバの大学での2バンドの白熱の演奏シーンが素晴らしい。
寝木裕和

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