津軽系こけし

痛ましの恋の津軽系こけしのレビュー・感想・評価

痛ましの恋(1914年製作の映画)
4.2
人がいるほど、面白い


「彼の好みの娯楽」から進歩しすぎではないか?それまでのワンシーンワンカットの様式美を一新した機能的な映像技術の目白押し。視線の移動によるカットムーブや、クローズアップの原型など、粗は目立つが確かに映像作法が息をしている。グリフィスは映像作法の確立を成し遂げたが、それ以前からその作法は産声をあげていたようだ。

加えてコメディもアイデア1つから人を巻き込み広がってゆく多重的な内容。テンプレートを焼き写しするようなものではなく、しっかりと計算ぐまれているのが伝わる。「メーベルの窮境」に比べれば少し勢い任せなところはあるものの、私的にはこちらの方が好みである。
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