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僕だけがいない街の小のレビュー・感想・評価

僕だけがいない街(2016年製作の映画)
2.3
何? この消化不良感というか、不完全燃焼感というか…。原作未読。映画にするくらいだから、原作はとても面白いマンガなのだろう。しかし、この映画は、面白いマンガをはしょって、はしょって最後まで読んで結末はわかったけど、あまり記憶に残らない、というのに似ているかも。

鑑賞後、この感じは何が原因なのか、ずっと考えた。結局良くわからないけど、リアリティ不足かなぁ。ミステリーストーリーはいかにも唐突なシーンがあり、何でそうなるの?と。多分、そこに至るまでのつなぎ部分がバッサリで、納得感がなく、感情移入ができなかったのかもしれない。最後の対決もお芝居感が強すぎで、全く乗れない。ただし、敵役の俳優さんは良かった。

子供時代の感動ストーリーは、子役の演技は良かったのだけれど、なぜか感動は薄め。主人公の動機が気に入らなかったのかもしれない。この点では逆に妙にリアリティが。ここは恋愛感情で押しても…、どうせならヒロインは1人で良かったのでは、という気がするけど、原作に忠実なのかしら。

ラストは切ないはずなのに、切なくないのは、主人公のキャラクターに魅力を感じなかったせいかもしれない。ヒロインは大人も子供も良かったのになぁ。

過去と現在を行き来し、現在を変えるという設定は『バタフライ・エフェクト』で体験済み。故に目新しさはない。しかも『バタフライ・エフェクト』のストーリーが秀逸だったので、自分のハードルが上がっていたのかもしれない。

原作が人気なマンガを映画にするのは、とても大変なんだろう。忠実に再現しようとすると、時間が足りない。かといって、思い切って変えると原作ファンから反感を買ったり、大コケしたりするリスクがあるだろうから。こういう作品を見ると、映画製作の裏側を知りたくなりますな。
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