聖

さようならの聖のレビュー・感想・評価

さようなら(2015年製作の映画)
4.0
取り返しのつかない規模の原発事故により、国を棄てざるを得なくなった近未来。

避難のために優先順位がつけられていく元・日本に暮らす人々を描いていく。

静けさと美しい画が、終末を巧みに表している。

そして、音。

抑制された空間には、削ぎ落とされた音使いがふさわしい。


誰とも心は分かち合えない。

取り残された人々同士でさえも。

少しずつ少しずつ、絶望は広がり、死へと追いやられていく描写に息がつまる。

そして心を持たないはずのアンドロイドは、静かに一つの命が終わりゆく様を見つめていた。

まるで家族のようにあたたかな視線で…。


ユルグ・ブットゲライトの「死の王」やピーター・グリーナウェイの「ZOO」を想起させるシーンがとても鮮烈。

極めて独特の味を持つ作品だ。
じわりじわりと染み入る。
オススメの映画です。