まつき

さようならのまつきのレビュー・感想・評価

さようなら(2015年製作の映画)
3.7
軽い気持ちでは人に勧められないけど、覚悟があるのならば是非とも観ておくべき映画。時は20XX年、国中の原発が爆発し、放射能で汚染された日本が舞台。漫然とした終末感、アンドロイドの存在、終盤にある時の流れを表す衝撃的な描写。すべてが挑戦的であり、それが日本で作られた映画、というところに価値がある。

本当にゆったりしているので、不安な人は目の醒めるガムなど必携。笑

物語のテーマは、ひとつではない。この特殊な舞台に転がっている様々なもの全てがテーマ。孤独であったり、差別や、社会問題であったり、それは観た人が拾ったものによって感じ方は異なると思う。全部拾ったっていい。

わたしは、「風」が忘れられない。
木々が揺れ、カーテンがなびき、視覚的に飛び込んでくる風。
屋内以外のシーンではつねに聞こえていた風の音。
とても穏やかで、綺麗なのに、なんだか不気味。

それはやはり、放射能汚染された風だとわかっているから。さわやかなのに、こわい。だから、不気味。そう長くは生きられないな、と。

大半が「静」のシーンで構成される本作品。中盤に大きな「動」のシーンがある。いかにも映画的なシーン。盆踊りからの一連の流れは、絶望を感じるには十分すぎた。