このレビューはネタバレを含みます
冬の光が美しい映画。
不気味の谷はそんなに感じなかった。
人と人ならざる者、二人で居る情景があまりにも美しくて、それ以外が全部蛇足に見えてしまう。
舞台装置とはいえ、原発に加え、在日、ネグレクト、アパルトヘイト、難民、そこまで盛らなきゃいけなかったかな?あげく、わけわからんライヴシーンとか、アフリカだのトルコだの叫ぶとことか、舞台くささそのままの演出が妙にこっぱずかしくてね。
窓から溢れる光が、ただ静かに暮れて喪われていく様が完璧。だけに、そこで終わってくれてたら良かったのにと…
闇の後のことは想像させて欲しかった。
九相図もボロくなったアンドロイドも、ましてやハイビスカスみたいな竹の花とか、いらない。
残された彼女の姿は、残光の中にあってくれればそれだけでよかった。