チャーリー・パーカーの「バード」、チェット・ベイカーの「ブルーに生まれついて」。ジャズ・ミュージシャンの映画は、たいてい不遇の時期に焦点を当てる。本作も例外ではなく、マイルスが5年間音楽活動を休止していた70年代後半を「現在」として「過去」を回想する形で展開する。
マイルス・デイビスがドン・チードル(「アイアンマン」のウォーマシーン)では少し頼りなさ過ぎる気もするが、見ているうちにだんだんマイルスに見えてくる。
「俺の音楽を『ジャズ』という言葉で括るな。『ソーシャル・ミュージック』だ」
「カインド・オブ・ブルー」? あんなものは失敗作だ!」(わーお、信じられん)
成功に溺れ、ヤクに溺れ、ヤル気を失っていたマイルスが立ち直るまでの5年間。
マイルスに振り回されるローリングストーン誌の記者をユアン・マクレガーが好演している。
全編に流れるマイルス・デイビスの音楽が、最高にクールな1本。ジャズ好きは必見!
(ラストのコンサートシーンでリアルにハービー・ハンコックとかウェイン・ショーターとか出てるのがすごい! マイルスの部分のトランペットはキーヨン・ハロルドが吹いている)