しい茸

あまくない砂糖の話のしい茸のレビュー・感想・評価

あまくない砂糖の話(2015年製作の映画)
5.0

なんというか、自分の影響の受けやすさなどもわかっていますが
観終わった今の興奮気味の気分なども加味して★5で良いかと。
(観る前から多分そうなると予想していた)

俳優さん同士ではあるものの本当のカップルで出演し、主人公の男性は本当に自分の身体を使って実験をしています。
いわゆる「健康」を謳った食品(スムージーや低脂肪ヨーグルト、清涼飲料水etc)を出来るだけ摂取して、以前と総カロリーは変えずに角砂糖40個を意識して食事して行くと身体はどうなっていくか。

超有名企業の商品が次々と標的として実名で出て来、
諸外国に渡り現地民に寄り添って食文化の歴史を紐解いたり、
専門家にインタビューしつつ持論ぶつけては噛み付いたり、
砂糖の大量摂取への危険性に警鐘を鳴らしているかなり突っ込んだ作品といえます!!!

全体的にシリアスな内容とは言え
作りはかなりポップで面白く、誰が観ても楽しめるテンションのはず。

身体のメカニズムの話とかかなり勉強になったし、映画観ながら初めて4pもメモ取ったわ!笑

いや〜これ、まじでバイブルにする。

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以下主観を多く交えた長文レビューとなります😂

砂糖。

わたしはかれこれ30余年生きてきて
太めの体型を維持しており、「デブ」と弄られるほどでは無いがどちらかというと「ぽっちゃり」である自分の体型も含めキャラクターであるような、、、ある種アイデンティティでもある。

その身体を作ってきたのは紛れもなく"お菓子"であることは言うまでもない!

お菓子がない生活なんてあり得なかったし、食後はデザートがあって当たり前。
実質、生活に支障があるレベルではないにしろ立派な"砂糖中毒"であるわたしにとって、かなりの衝撃作だったのでした。

多感な時期である大学生時分に遠方の友人(痩せている)宅に泊まりに行ったとき、
でかでかと「断糖」と半紙に書かれている文字を見たときの衝撃と言ったら。
なぜ痩せているのに砂糖を断つの!

彼女はダイエット云々とは関係なく、あの頃から砂糖の摂取しすぎに関わる危険性を理解していたのかと思うと脱帽ものであります。

この映画は、正直、精糖業界に恨みでもあるの?!っていうほどのネガキャンで多少扇動的ではあるものの、
たしかにタバコやアルコール、ひいてはドラッグなどと同じく大量摂取で健康被害が起こることは明白であるのに一番身近な調味料であるこの砂糖の危険性を誰も謳わないのはおかしいかもと気付かされました。

世の中はカネで動いている。
でも、経済とは一見無関係の学問の世界でも、その発展のための研究は国や企業からの資金があってのものであり、
例えば「砂糖の摂取による健康への影響は無い」と学者が学会で発表するその影にはコカコーラ社からの出資があった
というような一つの例を見ても分かるように、本当に情報リテラシーが大事だなと。

健康そうに広告されている商品も、企業の戦略のひとつであることを忘れてはいけない。
その食品は本当に「健康的」なのか?


疲れた時の一粒のチョコ、
クリスマスや誕生日のケーキ、
バレンタインのお菓子
そのどれも悪いだなんて言わない。
けど、
砂糖には中毒性があって、とりわけ果糖の摂取が決して身体に良くはないということをきちんと理解した上で、口にするものを選んでいくことがどれだけ大事なのか、まさに「食べることは生きること」を体現した完成度の高いドキュメンタリーだと思います。

そして。
こんな感じで、かなり挑戦的な内容であるにも関わらず、
この映画の凄いところは、ポップで観やすいテンションを保っていて最後の最後までクスッと笑える作品であることなのです。。。

いや〜


生まれて初めて、不必要な砂糖を控えて生きていこうと思えました。
しい茸

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