あゆぞう

ファンキーランドのあゆぞうのレビュー・感想・評価

ファンキーランド(2012年製作の映画)
4.0
映画らしい映画

誠実でありながらオリジナリティ、生きることへの柔らかな眼差しを感じる優れた作品

作品の性格とは真反対な邦題、キービジュアルは噴飯モノ

ジェシーアイゼンバーグ、コメディというタグ目線で見てはいけない作品

ジェシーアイゼンバーグだから「ランド」、キャッチーにしたいからとりあえず語感で「ファンキー」といった低脳ぶり

主人公の家で乗っているのはジープのグランドワゴニア、サイドのウッドパネルが特徴で僕の好きな車

30年近く前に製造が終わっていて、東京だと燃費2キロ前後というオールドファッションな車で、作品の中でもなかなかエンジンがかからなかったりする

この車が象徴的な作品でもある

何かしらが足りていない登場人物ばかりなのだけれど、それでもそれぞれがチャーミングで、どうにかこうにか暮らしている…よくない日もあるけれど、ちょっとしたことでいい一日と呼べる日もあって、人生捨てたもんじゃないと思わせてくれる

オートエアコン、カーナビ、AI、センサー搭載で快適、安全、静かで経済的な車もいいけれど、そんな人生は果たしてどうなんだろうと思わせてくれる

ジェシーアイゼンバーグが相変わらず素晴らしいし、メリッサレオ鉄板のシングルマザーぶりが見事

そして何より脚本

独創的なプロットがうまく構成されている上にディテールが鮮やかでヒューマニズムに満ちあふれている

劇伴の距離感、余韻を楽しめるようにポンと放り投げられたかのようなスマートなラストがそうであるようにものすごく大人だなと

ダメな人にはダメな作品だろうけど、何度も見たい作品
あゆぞう

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