これは、二人のアダムと一人のイブの物語。
一人の女がある谷間に住んでいた。彼女は白人のアン。核戦争後の世界でその谷間だけが安全な場所だった。彼女は農業をして何とかやりくりをしていた。
そんな中、ある防護服を着た黒人がそこを訪れる。ジョンだ。アンとジョンは次第に仲を深める。彼は科学者で、理論的で、信仰にはあまり従わない方で、自分で何でもやりたがる。そして、アンの協力を拒む時もある。あるときアンはジョンともっともっと仲を深めようとしたが、ジョンはそれを断る。普通の友人同士という仲を保ちたいがために。
だが、ある日事態が変わる。もう一人のアダムが現れた。彼は白人のルーミス。
ルーミスはジョンよりもアンとの関わりがうまく、信仰を信じている。故に、ジョンはだんだん嫉妬していく。一体3人はどうなるのだろうか。
前半はとにかく長かった。アンとジョンの中を深めるためだろうが、もっとコンパクトにまとめられなかったものか。だが、この映画はそれがどうでもよく思えるほどの結末だと私は感じた。
とにかくルーミスが曲者。こいつの、ジョンに対してのあの行動が割とやばかった。ルーミスは、どうせジョンはアンと二人きりになっても決して一緒になれないだろうと馬鹿にしていたから、あんなことをしたのだろう。
最後のシーンはとても美しい。アンは教会のオルガンを弾いている。それをジョンが聴きに訪れる。だが彼女はそんなジョンを気にも留めない。ただ弾き続ける。