生きることをこれだけ静かに真っ直ぐ訴える作品にはなかなか出会えないと思えた余韻。
今回も原作未読ながら、そこには “人の命と引き換えにした幸福はあり得るか?” なるテーマもあるらしく・・・門井監督はそこを超越した生きる姿を丁寧に厳しくかつ優しく描いていた。
刑務官を生涯の職とすると共に、結婚して二人の命を抱えて生きて行く確固たる決意…密かにあの休暇選択に込められていたかと。
そして、例のシーン…死をシンプルに強烈に意識させつつ、生に想いを馳せましたね。
ベテラン小林薫の淡々と絶妙な表情と佇まいに、西島秀俊の落ち着きと存在感がいい。