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イーグル・ジャンプのkenのレビュー・感想・評価

イーグル・ジャンプ(2016年製作の映画)
4.0
1986年冬季カルガリーオリンピックにイギリス史上初のスキージャンプ選手として出場したマイケル・エドワーズの半生を綴る実話である。

幼い頃は運動が苦手だったが、オリンピック出場の夢を決して諦めないエディ。スキーで落選するとスキージャンプ選手がいないことに気付き、ドイツに出向き真正面から挑戦する。入院する程の大怪我をしながらも70mジャンプで遂にイギリスオリンピック委員会の派遣基準61mを達成。だれに何を言われようとも決して夢の実現を諦めず、ひたすら努力し続ける姿にとても感動する。

コーチ役のヒュー・ジャックマンもエディの固い意思に衝き動かされ、二人三脚でオリンピック出場に全力で邁進する。一方、エディの父親は早く諦めて左官業に戻るよう諭すが、母親は息子の小さい頃からの変わらない夢の実現に向けて心から応援し続ける。普通に考えると到底無理な話だが、母親は全くその素振りもなく実現すると信じて接している。母の子供に対する愛情とはこうでなければと思った一面であった。

70m級は最下位だったが、予定に無かった90m級に急遽挑戦を決意する。ここからのラストまでは最大の盛り上がりを見せ、あたかもオリンピック会場にいるかのごとく応援してしまう。後半は感動の連続で目頭が熱くなった。鑑賞後はしばらくこの感動の余韻に浸り、人生に挑戦して夢を叶える努力をし続けることの大切さを改めて考えさせられた。

カルガリーオリンピックの80年代は、エディのチャレンジが観衆に感動を与え、多くの称賛を得てヒーローになれた。エディにはそれが目的では無かったもののその努力たるや人々の称賛に値する。オリンピックは競技に勝つことよりも参加することに意義があると昔よく言われたが、近代オリンピックでは高い標準記録を上回らなければ参加できない。
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