TAK44マグナム

メカニック ワールドミッションのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.9
やっぱり美人には弱かった!


精密機械(メカニック)のように完璧なる暗殺者、アーサー・ビショップの活躍を描くシリーズ第二作。
前作はハードな殺し屋の世界をクールに魅せたドライな映画でしたが、続編となる本作は雰囲気を一転、徹底して娯楽要素を追求したアクションエンターテイメントな仕上がりとなっております。
加えて、前作よりモリモリに増したジェイソン・ステイサムの無双ぶりが極端に凄すぎる、いわゆるステイサム・インフレーション(←テキトーに今作りました)をおこしているのが特徴です。

前作は女っ気が無かったのを反省してか、本作にはステイサムとイチャイチャするヒロインが登場します。
演じているのは、絶対にヌードはNGだけど水着はOK、むしろ乳首とヘア以外なら見て見て〜!なジェシカ・アルバ。
元特殊部隊員で、現在は人身売買被害者を助ける団体を仕切っているという設定でして、そんな女子が何も関係ないのに何故かステイサムを利用するために弱みとして利用されるという、よく分からないことになっちゃいます。

この、序盤に繰り広げられる敵の作戦が回りくどい!
ステイサムとジェシカ・アルバがデキちゃうとは限らんだろうに・・・と言うか、前作のステイサムなら自分に弱点なんて絶対に作らないと思うんですが・・・
しかし、見事にステイサムはデレデレになってしまい、ジェシカ・アルバの為に敵の言いなりになってしまうのでした(汗)
いやはや、あのハードなテイストはどこへ・・・?



ブラジルで静かな生活を営んでいたビショップのもとへ仕事の依頼と称して、かつての仲間クレインの部下たちがやってくる。
断った事から戦闘になったものの、難なく脱出して身を隠したビショップであったが、タイにある島で男女の関係となったジーナが囚われてしまい、彼女の命と引き換えに三件の暗殺を請け負うことになる。
しかし、その暗殺はどれもこれもが不可能と思えるものばかりであった。
はたして、ビショップは暗殺を完遂し、無事にジーナを助け出すことが出来るのであろうか・・・?!



どれもこれもインポッシブルなミッションばかりなのに、飄々とこなしてゆくのが格好良いですねえ。
計画を練る姿、狙撃する姿、手錠をしたまま泳ぐ姿・・・流石は現在No.1アクションスターのステイサムですよ、どれもこれも実にサマになります。
一つ目の暗殺は、厳重な刑務所に潜入してアフリカの武器密売人を事故に見せかけて殺すというもので、元飛び込みの選手だったステイサムの美しいダイブが見所!
二つ目は、高層ビル最上階の標的を、やはり事故に見せかけて暗殺するというもので、これはまさしくメカニックらしさ溢れるシークエンス!傍から見ていると面白い。
この荒唐無稽さは「ゴルゴ13」に通じるものがありますね。
そして3つ目ですが、難攻不落の要塞に引きこもるトミー・リー・ジョーンズの抹殺が目的。
山Pもビックリな、コードブルーぽい潜入方法に目を丸くしちゃいましょう。

これらのミッション以外にもアクションシーンが豊富で、尺も適度な長さということもあり、瞼が重たくなるような事はありませんでした。
ステイサムは最初から最後まで理不尽なほど激強でして、ピンチを迎えることは殆どなく、まさにステイサム無双が暴発しまくっているのをヤンヤヤンヤ言いながら楽しむのが正しいスタイル。
まだまだ動けるだけに、かのセガール無双と比べてかなり見栄えが良く、カチカチっとポーズがキマるのも相変わらずキレッキレ!
飛んで走って、そしてクルクルと前転!
スピード感はもとより、緩急の付け方が巧みな動きがステイサム・イズムを体現!
また、カット割やアングルが的確で、かなり魅せ方がよろしいのも評価したい部分です。

ところどころ安っぽく、場所から場所への移動時間の有りえない速さ等なんじゃこりゃな部分も多いけれども、ステイサムがやたらと脱ぐので自慢の肉体美をこれでもかと堪能できるし、ジェシカ・アルバはスキあらば金的を蹴るSM行為にはしるしで、すこぶる快調で痛快、そしてマジメにおバカ!
大体において、ハンググライダーやサメよけクリームのテキトーさから分かるように、端からマジメに作っちゃいないのは明白なので、細かいことは気にせずにステイサムの妙技に酔いしればよいのです。

自然や都市の美しい風景と共に、最強無敵ステイサムのハゲしいヴァイオレンスと褐色の美神ジェシカ・アルバを、小難しい話抜きでエンジョイできる、お暇なときのお供にピッタリな佳作。

・・・そういえば、敵の一人に女子がいたのに何処へ行ってしまったのだろうか?
割りと可愛かったのに途中から忘れ去られてしまったようです。
てっきり、ジェシカ・アルバとのキャットファイト要員だと思ったのになぁ〜。


セル・ブルーレイにて