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ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐのsacoのレビュー・感想・評価

4.0
1920〜30年代のニューヨーク、天才作家トマス・ウルフと、いずれの編集者にも出版を断られた荒削りで膨大なウルフの原稿を傑作へと導いた伝説の編集者マックス・パーキンズを描いた実話。

パーキンズはウルフに寄り添いながらも容赦なく言葉を削除していく。魂を削り激論を交わしながら深まる信頼の絆。。。
セピア色に抑えスタイリッシュな画面が時代を映す感じだった。
奔放で情熱的37歳で夭逝したウルフをジュード・ロウ、その愛人をニコール・キッドマンが好演している。コリン・ファースが扮する冷静で心優しいパーキンズが、明確な編集をしながらも「作品をゆがめた気もする」という言葉に編集者としての葛藤と重責を感じた。
ラストでパーキンズがいつも被っていた帽子をそっと脱ぐシーンはグッときて鼻の奥がつんとした。
全体を包むジャズのリズムが心地良い。
センスの良い映画を観たという感じで、とても面白かった。
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