エリ

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気のエリのレビュー・感想・評価

4.0
惹かれ合いパートナーとなった二人。その年齢差、同性であるということ。堂々とした二人の大胆さに自由を感じられる。同性ならではの柔らかい雰囲気、時間の流れの緩やかさにあたたかい気持ちになる。

ガーリーなエレン・ペイジが好きだけど、この作品でみせたボーイッシュな演技とか、彼女自身が世間に打ち明けたこととか、その勇気ある決断や行動に胸を打たれる。

ジュリアン・ムーアって、その存在だけで充分な濃さとインパクトがある。それでもいつも、「ふと」演じている人だというのを忘れて彼女を見ている自分が居る。役への溶け込み方の深さにいつも驚く。

会話の中で、時折その年齢差から母娘のようにも見えたり、そのどちらの考えも分かるが故に切なくなったりする。
難しそうなテーマと迫りくる悲しさが前に出ている作品ではない。
本人たち、関わる人達のあたたかさと勇気ある行動に、自然と涙してしまった。
「何となく」しか知らなかった事柄の一歩踏み込んだところや、少しずつ変わる時代の様子を、ほんの一部かもしれないけれど作品を通して知る事が出来て良かった。音楽も素敵だった。
「何も知らないで否定する」ことは、どんな事柄においても視野を狭めてしまうし悲しいことだと改めて思う。
エリ

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