ダイセロス森本

ビフォア・ウィー・ゴー(原題)のダイセロス森本のレビュー・感想・評価

4.8
人がふたり、出会って、歩いて、話して、それぞれの道へ行くことが、こんなに美しくて涙が枯れるほど泣けるなんて、最近気づいてなかった。
人間の美しさがあふれてる。
クリエヴァが監督してるの?信じられない天才ね。

人の好さがあふれてる顔立ちのちょっとゴールデンレトリバー系クリス・エヴァンスがまあ良い感じ。
一晩で出会った女性と、一回も肉体的な関係にならないで、理性で、言葉で、人を愛せた男性。絶対こんな良い人いないけど、まじで良かった。

過去の自分に電話して、自分の後悔や環境への困惑を晒しだすっていうシーンがあるんだけど、もう、なんでこんなに無垢で美しい人たちが救われないんだろうって、すごく凄く切なくなる。
最後のシーンはもう、すべてが”そのまま”で、美しかった。

他人には見せない二つのアイテムが、なんだか彼らだけの”領域”な気がして美しい。描いた絵も、最後の紙も。

ああ~どうしてこんなに美しいんだろう
どうしてこんなに綺麗な人たちが存在するのに日本はこれを放映しないんだろう
ああ~~~~しばらく複雑な気持ちでいる

台詞が全部詩っぽくて、フランス語が入ってきたり、言葉の表し方がとても文学的で素敵。すごく頭がいいんだろなととても思った

NYだからこそ出会える人たちで、NYだからこそこんな物語が生まれて、この街に特別な思い出を残せる人が増えるんだろうなあと、魔法の町みたいな、そんな描き方が印象的だった。