ほうじちゃ

三人の騎士のほうじちゃのレビュー・感想・評価

三人の騎士(1944年製作の映画)
4.6
まず映画の出来としては中途半端にも感じてしまうが、政治的背景からこのような作品が生まれたことを考えると、非常に面白い。
最後のドナルドの白昼夢のシーンはほぼトリップムービーで、何も考えないでずっと楽しめる。いや映画全編通して楽しめる。
ただやはり時代が時代で、ドナルド(アメリカ人)は南米の女性に対しては性的な対象にしか見てなかったり、南米そのものに楽園イメージを先行させそれ以上のことは何も描こうとしないという、果ては南北問題にも直結しかねない視点で作られた映画であることは間違いない。
それも含めて、アメリカを頂点にした西洋の「未開」への眼差しと当時の国策が調和した本作を、当時のディズニーにしか描けない作品として楽しむべきだろう。