ツナ

輪廻のツナのレビュー・感想・評価

輪廻(2005年製作の映画)
3.9
序盤の吸引力が凄まじい
何十年前の惨殺事件で殺された女の子の生まれ変わりがその事件をテーマとした映画で再び自分を演じることで失った前世の記憶が蘇っていくと共に事件の全貌も明らかになっていくミステリー風ホラー

単に事件が起きた現場に行くとか思い出深い人形を手渡されるとかだけではなく、その場所で過去に殺された自分を自ら演じなぞることがデジャヴの瞬間に説得力を持たせてる
殺人事件の動機も正にこの映画のテーマに対するアンサーと証明から始まっている点が一層不気味

主人公と、彼女がずっと見えてる少女の幻影は彼女の前世、その幻影の少女が持ってる人形もまた彼女の持つ何か別な姿であると考えると、人は産まれながらに何か不思議なもう一人の自分のようなものを持連れているという言説を、あの手を繋いだイメージに一貫して落とし込んでいる気がして、モチーフとして正しいなと思います

最後のどんでん返しはまあ予想はつくがそれでも今までの霊達の行動の全てに納得がいく構成と魅せ方はさすが大御所というところ
ラストカットで全てが貫かれ我々に結果が無言で提示される瞬間は鳥肌
ツナ

ツナ