せびたん

フォービドゥン/呪縛館のせびたんのレビュー・感想・評価

フォービドゥン/呪縛館(2016年製作の映画)
3.0
某宅配レンタルから次のが来るのはたぶん土曜日で、それまで何を観ようかな実店舗行ってみようかなと思ったけれどNetflixにこれがあるのに気付いて、観ました。レビューするのは459人目。笑

悪い作品ではなかったのにおもしろくない?直観的になんか違う?そんな印象でした。

いろいろ自問自答した中で、この作品に対する私の素直な気持ちがよく出てるのはこれです(↓)。

【質問】お前はこれが好きか?嫌いか?
【答え】え…。めちゃ難しいなその質問。好きでも嫌いでもないっていうか、好きとか嫌いではくくれないっていうか…。めっちゃ難しいなこれ。好きとか嫌いとかの対象じゃない?解答不能?うん、解答不能。

いや題材的には嫌いじゃなかったんですよ。
「これは超常か?妄想か?」みたいなのは本来大好物なんです。ずいぶん評価低いみたいだけど私なら本作のよさを分かってあげられるかもって思ってたんですよ。

けどこれ……普通に妄想っすよね?

超常現象かもっていう余地がなさすぎませんか? 私にはそこが一番の不満でした。
ホラー好きの私としては、もうちょいうまく超常側に寄せてほしかったです。これはホラーっぽい装いのサスペンスっていうか。もっと心の内側からも攻めてこいよっていうか。恐怖心を煽ってなんぼやろっていうか。

しかもそのサスペンスの部分…
トビー・フーパーの遺作「悪魔の起源」まんまの設定と運びっすよね…。
そうしますと比べられるのが前提の野心作!と呼びたいところですが…うん、あれだっ!(←どれなんだよ笑)
ダメなものにとやかく言うのはイジメみたいで好きじゃねぇんだっ!

あとはなんとなくの気付きを列記してお茶を濁します。

始まって早々の夫婦の会話を単調な切り返しで撮ってたけど、これはちゃんと合わせ鏡登場時の伏線になってたので、やるじゃんて思った。けどこの合わせ鏡が物語にはほぼ関係がなかったという衝撃の事実…おいっ!それはおかしいやろ?ここは投げっぱじゃダメなとこやろっ!冒頭5分ってキーイメージ出すんじゃないの?それ前提でひねってきてるってこと?だったら上級者の遊びすぎるわ…。

息子の名前ルーカスの語源は「光」らしい。なのでルーカスは死なんのだろうなと最初から分かってしまう親切設計。さらにこの子がいる限りこの家族はなんとかなるんじゃねーの?っていう予想。名前だけで勝手に(笑)。けど予想があたって嬉しかった(笑)。

ちなみにデイビッド(夫)は「最愛の人」が語源。霊能者っぽい言動が目立ったお婆さんのジュディスは「賞賛」が語源らしいです(ここまですべて私調べ。普通にネットで検索しただけなのであまり信用しないで笑)。ていうかジュディス、なんで途中からいなくなった?大人の事情?ジュディスがいなくなったら妄想確定になりません?そういうドラマツルギーってあると思います。

いわくつきの古い家に引っ越してきた主人公の職業が建築士、という設定はすばらしい。家は家族の状況や個人の心の状態や自我をあらわすこともあるみたいなので。そして建築士は家について熟知する者、建てる(直す)者なので相性がいい。なので本作では夫が主人公で建築士だったほうが作品の雰囲気が締まった気がする。妻の錯乱で崩壊しそうな家族と物理的に崩壊しそうな家を支える主人公(建築士)みたいな。90年代に流行ったパターンぽいけどさ。

最上階に幽霊が出るという違和感。やっぱ地階でしょ、ベタだけど。地下というのは無意識世界の比喩だった気がするので。最上階に建築図面にも載ってない部屋がある、という設定はホラーじゃないと思う。だって怖くないじゃん。あとから増築しただけかもしれないし。地階とか寝室にあったほうが怖いじゃん。らせん階段上から写してなんとなく最上階の(失意の)部屋の場所を分かりづらくしてたから自覚はあったのかなって思ったけど。そのくせ部屋の場所は外からはっきり見えとったしね…。ていうかあれだけはっきり外から見えてるわけだから建築士なら初見で気付こうか…。( ̄▽ ̄;)
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