浅野公喜

チェイサーの浅野公喜のレビュー・感想・評価

チェイサー(2017年製作の映画)
3.5
誘拐された息子を助ける為に孤軍奮闘するハル・ベリー主演のサスペンスカーアクション。

とにかくハル・ベリーがベリベリ強くて「母は強し」を体現、特にダレる事なくあっという間に観れましたが様々な映画を組み合わせたような既視感の有る要素・設定が随所に存在し、序盤のウエイトレスとして働くレストランのシーンは子持ち設定も相俟ってジェニロペの「イナフ」、家族が誘拐されてカーチェイスという展開は「ブレーキ・ダウン」、湖の桟橋辺りで飛び出るのは「13日の金曜日 PART7 新しい恐怖」、終盤の犯人の家辺りは同じハル・ベリーの「ザ・コール」を思い出しつぎはぎ感強し。中盤の他の人の車に乗り込んだ際の唐突なクラッシュシーンは驚きましたが、極めてオーソドックスな作りで欲を言えば誘拐された息子の視点+息子なりの脱走劇も用意されてればより良かったかも。

ただ、誘拐犯の一人である太ったおばはんはいかにもホワイトトラッシュという風貌で、なかなかリアルなキャスティング&ビジュアルで、彼らが乗ってる80年代のフォード・マスタング(通称FOXマスタング)もいかにもなチョイスで〇でした。ちなみに劇中ハル・ベリーがマスタングという車種名と年代を通行人に伝えるのですが、よく分かったなと妙に感心。
浅野公喜

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