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すれ違いのダイアリーズのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

すれ違いのダイアリーズ(2014年製作の映画)
3.1
【「すれ違いのダイアリーズ」から観る日本の学校教育】
昨年、知人が強くオススメしていたタイ映画「すれ違いのダイアリーズ」がNetflixに挙がっていたので観てみた。すると、日本の学校教育がタイより遅れているのではと感じる部分があったぞ...

☆「すれ違いのダイアリーズ」あらすじ
都会から遠く離れた、水上の小学校に赴任してきたソーン。生徒数たった4人。不便すぎる環境に嫌気がさすソーンであったが、前任者の女性教師エーンの日記を見つけ、自分の教育を見つめ直す...

☆タイでもあった「君の名は。」
正誤性で問題が多いと言われている「君の名は。」という作品が昨年話題となったが、タイで作られた「君の名は。」こと「すれ違いのダイアリーズ」は、そういった脚本上の無茶はない。日記を通して交流する二人の教師の友情は「愛」以上に、ハートウォーミングであった。

都会人の多くは転勤で僻地に飛ばされることを嫌がる。確かに、中には喧噪とした都会が嫌いな人もいるだろうが、スマホの電波すら届かない田舎に行ったら数日で都会に戻りたくなるだろう。

本作は、田舎に飛ばされた教師の苦労が描かれています。まず、本作に登場する学校は、何故か水上にあります。舟でしかいけません。しかも生徒数は4~7人と少なく、皆、将来の夢は親の稼業である漁師を継ぐことしか考えていません。なので、小学校を卒業したら進学せず親の仕事を手伝うライフパスしか考えていないのです。おまけに学校はおんぼろで、トイレからは流れ着いた屍体が出てくる有様。そんな環境でどうモチベーションを保ってきたかが綴られた日記を通して、新教師が頑張る。1年前、教育実習で必死に生徒と向かい合ったブンブンからすると、あまりの熱い展開に涙しました。

☆電子黒板日本でも使おうぜ!
本作では、都会と田舎の学校を比較する描写があるのだが、都会の学校のシーンで、電子黒板が使用されている場面があります。教職課程の授業で、タイは教育×ITに力を入れていると聞いたことがあったが、授業で何不自由なく電子黒板を使っている様子を観ると、いまだに黒板とチョークで授業をする。教育実習生に板書を強いる日本の学校、遅れているのでは?いつの間にか後進国になっているのではと感じました。実際にフランス留学した際、もちろん黒板にチョークで板書することもありましたが、基本的に電子黒板で行っていたので、日本の教育頑張れと言いたくなる映画でもありました。
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