とあることで突然妻が亡くなってしまった男が妻の愛情を再認識し、その贖罪を自らの人生の中で行う話。
ありきたりなストーリーで、冒頭に大きな事件があり、その後の話はただひたすら掘り下げるだけ。
ただそれが実に丁寧で、そして意地悪な描き方なので、終始心がザワザワする。
人が、意識的に”見ないように目を背けていた内側”を容赦なく暴く。
この監督の洞察力は、とてつもない領域にあるんだなと感じました。
そして誰もが印象に残る部分で言えば、やっぱり子役の演出が本当に素晴らしい。
普段の生活と遜色ない、自由で自然な演技がお話により説得力を与えていました。
１つだけ重箱の隅を突けば、タクシーを待たせてる場面がどうしても気になりました。
”見えてしまう”ことで、小説には無い映画としての瑕疵も生まれてしまうのもまた事実なのかなと。
そんな映画と小説との対比も考えれたので、とても良かったです。
意地悪ですが、とても優しい話なので特に奥様がいる方には文句なくオススメです。
しかし間違ってもご一緒に鑑賞するのは、やめたほうがよろしいかと思います。
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