Megu

永い言い訳のMeguのネタバレレビュー・内容・結末

永い言い訳(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。
そこから愛しはじめた。

幸夫くんを心底不愉快に思い軽蔑する一方で、自分と重なるところも多くて。
自分と重なるゆえの軽蔑か。

登場する人たちそれぞれの気持ちに少しずつ共感ができる。

大切な人が突然いなくなったら?
忘れる?忘れない?
ずっと思い続ける?
それが正しい?正しさってなに?

「お葬式で泣けなかった」
この言葉を聞いて、小さい頃に飼っていたうさぎのくーちゃんを思い出した。
くーちゃんが亡くなって、土に埋めている間わたしだけ泣かなかった。そのときに
「なんで泣かないの?悲しくないの?」
って言われた。

自分でもなぜだかわからなくて、ぼんやりしてた。
そして後で一人で泣いた。


いろんなことを考えるきっかけになった気がする。

もう愛していない。
ひとかけらも。

これは「あなたはわたしを」なのか「わたしはあなたを」なのか。
この言葉を書き残した人はもういない。聞く術もない。

幸夫くんが初めて涙を流したとき、その時幸夫くんは夏子の死と向き合って、受け入れたのかな。
そして幸夫くんは夏子が好きだったんだなあ。

人と関わること、人と関係を持つこと、人を愛するということ。

「人生は他者だ。」
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