小一郎

ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償の小一郎のレビュー・感想・評価

4.0
H&Mやユニクロといった「ファストファッション」が、いかに途上国や環境に負担をかけているかを明らかにするドキュメンタリー。衝撃映像が目白押しだ。

服を作るバングラデシュの工場がコスト切り詰めで、建物にヒビが入っても補修せず倒壊。教育費捻出のため出稼ぎに行き、年1~2回しか子供に会えない母親。大量の綿花栽培のため、大量の農薬を散布し、自らも健康被害に怯える農家。土に帰ることができず、毒素を大気に放出している大量の衣服のゴミの山。

こうなった根本原因は、歯止めが効かなくなりつつある資本主義というシステムだという。その通りだろう。

資本主義は貧富の格差を拡大し、ファストファッションの土壌をつくった。でも西側諸国はまだいい。現状の打開が難しい貧の側といえども、安い衣服を大量消費することで、貧しさを誤魔化すことができるから。

犠牲になっているのは、途上国だ。ファストファッション会社の利益は、彼らの犠牲から生まれている。工場で働く女性は言う。私達の血でできている服を着て欲しくないと。

このままでいけば、現状のシステムは持続不能となり崩壊することは間違いない。そうならないためにどうするか。生産者が何ができるかから考えた、フェアトレードという衣服づくりが紹介されている。

この映画を見ると、ー体どこで買えばいいの?という気持ちになる。映像のカは凄い。しかし、『ホテル・ルワンダ』じゃないけど、悲惨な映像を見ても「怖いね。かわいそうだね」と言いながらディナーを楽しんでしまいがち。

ならば小市民としては、現実を知り、自分のできることをやるしかない。具体的にはファストファッションの衣服でも大事に長く使う、生産者に良さそうなものを調べて選択する、小売店に生産方法の開示を求めたり、環境を配慮した衣料品を置くよう要望する、という感じかな。

映画はテンポが速く、ちょっと見づらい気もしたし、多少ダルなところもある。しかし、多くの人が知っておくべき内容だ。そして、事実を知っても行動は自由である。