Tuna1024

ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償のTuna1024のレビュー・感想・評価

4.0

「真の代償」は誰が払っているのか?

服を着る、すべての人が観るべき作品。
これを見てから私はファスト・ファッションに対する見方が180度変わってしまった。

安い服のタグにあるMade in○○が、第三世界の人々によって製作されていることは知っていたはずなのに、「真の代償」について自分は何も理解していなかった。

私たち個人は資本主義に流されている。
物質的な豊かさが幸せをもたらすという価値観に自分は疑問を持ちたい。
個人の力は小さいかもしれないが、消費者一人ひとりがファスト・ファッションの裏側を知り、価値観と行動を変えていけば必ず変化は起こるはずだ。

私たちは容易に安物の服に手を伸ばす。
誰が・どのような環境で・どれくらいの賃金で働いているのか、またその実情の根源はどこにあるのかなんていちいち考える人は少ないだろう。
この作品は、目の前の低コストに惹かれる前に、一歩引いて考えることの大切さを教えてくれる。

経営者が利益や成長を追い求めることに限界はないが、環境資源には限界がある。そしてその限界はもう超えてしまっている。
ラナ・プラザの様な悲劇が、21世紀に起きることが2度とあってはならない。

今経済システムそのものを変える転換期にきている。
私たちは、賢い消費者にならなければいけない。

追記、リンキン・パークの"what I've done"のPVを彷彿とさせる描写がある。先進国と途上国の実情を交互に映し出すシーンは印象的。胸が苦しくなる。
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