映画観るマシーン

13時間 ベンガジの秘密の兵士の映画観るマシーンのレビュー・感想・評価

3.8
我々がスタバの新作に現を抜かし、しょーもない人間関係の悩みでモヤモヤしている同じ日を血に塗れて過ごしている男達がいる。
2012年にリビアで起きた米国在外公館襲撃事件を題材にした映画。360°敵だらけの異国の地で地獄の13時間を彼らがどう戦ったか。序盤で結構スローな時間が描かれていた反動で、襲撃の突発さがよりリアルに伝わってきた。
印象的だったのは戦闘で死んだ過激派勢力の男たちに妻たちが泣きながら寄り添っていたシーン。アメリカ兵たちに守るべき家庭やイデオロギーがあるのは勿論だが、我々が我々の立場から厄介物と断じるイスラム過激派組織の兵たちにも守るべき家庭や譲れないイデオロギーがあるんだなと。米国と中東の関係性もよく知らずイスラム教への理解も曖昧なままに、自爆テロに巻き込まれることも(ほぼ)無い日本にいながら脳死でイスラム教を厄介者扱いしていいのだろうかって考えてしまった。
色々な意味で衝撃を受けた映画だった
この事件がわずか10年前