フライ

ディストラクション・ベイビーズのフライのレビュー・感想・評価

3.7
ひたすらのケンカと暴力シーンの連続だが、とにかく胸くそ悪い内容は、作品の世界観を圧倒的な迫力と迫真の演技で観せるのでかなり引き込まれて目が離せなかった。
これだけエグいストーリーを柳楽優弥や菅田将暉、小松菜奈と言う若手一流キャストが演じているのも凄いが、余りにも凄まじい演技に感動や尊敬すら覚えた。
少年の若さ故の狂気をここまでリアルに、且つ生々しく描かれると見ている側としては、不快感を通り越して多少のトリップ感すら感じた。序盤の通り魔的に襲いかかるシーンや、女性まで手当たり次第に殴るシーンは本当に胸くそ悪かったが、徐々に何処に行き着くのか、そちらの方に関心が移ってしまい夢中で観ていた。最後は明らかに破滅しか見えないので本当に辛くなるが、柳楽優弥が演じた泰良は、野生の人間を見ているようで少し気持ちよかったと同時に恐ろしかった。
如何に子供にとって道徳教育が必要か考えさせられたと同時に、地域の叱れない大人と子供達への無関心の怖さみたいなものを感じた。
フライ

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