今まで観た戦争映画(広義)の中でも、個人的に傑作だと思う作品の1つになった。
全員の演技が素晴らしい。軍曹はもちろん、少年兵の一人ひとりも。それぞれの苦悩や葛藤が、表情や仕草から伝わる。
軍曹が少年兵に対して怒りや憎しみを容赦なくぶつける様子には抵抗を覚えるけど、戦争してた国の人だと考えると、安易に否定する気持ちにもなれない。
だけど罪は遺伝しないから、現代の人間には何の罪もない。今の時代になっても国や人種にとらわれて相手を判断する人がいるけど、そういうことは一刻も早くなくなるといいな。
真っ白な砂浜が美しい。こんな美しい場所に大量の地雷が埋まっているというギャップが、戦争のなんと酷いことかを強調している。全体的に彩度の低い映像も、そこに寄与している。
これも描いてほしかったという点でいうと、軍曹に食事を提供している近所の女性。あの事件のあと何か変化はあったのか気になるな。
あと最後にどうしても言いたいのだけど、邦題なんでこうなった…(笑) 東京国際映画祭では『地雷と少年兵』だったらしく、なんかショートフィルムっぽいけどまだそっちの方がよかった(笑)