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ヒトラーの忘れもののJのレビュー・感想・評価

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)
4.2
・物語★★★★★
・配役★★★★
・演出★★★★★
・映像★★★★
・音楽★★★

戦後を描く作品ながら、戦中の悲劇を描く数多の作品と比べても、圧倒的な緊張感と悲哀は少しも軽減されることはない。

公開当時、劇場で鑑賞したいと思いつつも躊躇したのは、想像に難くない緊張感や爆発音、そして残酷描写に耐えられる自信がなかったから…💣💥

自宅鑑賞においても緊張感は想像以上で、特に序盤、本物の地雷を一人ずつ解体していくシーンの連続は、直視できないほどだった🙈

中盤以降も、この緊張感からは解放されない。
“いっそ銃殺刑にでもしてくれ!”
ある少年が言い放つこの言葉のとおり、鑑賞中、何度も逃げ出したくなるほどの恐怖に襲われる。

一方、大きな爆発音や残酷描写は案外少なく、むしろそのこと自体が究極の恐怖であることに気付かされる…😨


邦題、そして英題『Land of Mine』ともに、それが意味するものは地雷そのものにとどまらない。
本作が人類に訴えようとしているテーマにも通ずる“その意味”に気付いたとき、この映画に出会えて良かったと、心から思う。

ラストの字幕で綴られる“数字”が示す真実に、戦争と人間の愚かさを、心から呪う。

声高に廃絶を叫ぶべきは、核兵器のみではなく、全ての非人道的兵器だ。
吐き気さえも覚える緊張感から逃げることなく、一人でも多くの人がこの映画のメッセージを受け取ってくれるよう、心から願う🙏
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