Gibson

ヒトラーの忘れもののGibsonのレビュー・感想・評価

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)
4.3
ベニー・ティム・6本足・キクイムシ

101分とそれほど長くなく
ストーリーも分かり易い
登場人物もそれほど多くない
それでも十分すぎるほど戦争の怖さ恐ろしさ愚かさについて考えさせられる。
戦争は、それが行われている最中もそれが終わった後も沢山の人間を巻き込む。
中学校の社会科あるいは高校の日本史の教科書では終戦について「降伏」とか「◯◯講和条約締結」等の言葉で記述されている。そうした記述は戦争を俯瞰するような歴史の見方であり、もっとミクロに、個人のレベルまで落として考えると、本作みたく少年兵が罪を贖わされているような実態があったはずだ。
さまざまな人間がさまざまな仕方で歴史に参加していたはずだ。
「戦後」と一般的に呼ばれているものは大抵あやふやで、日本においてもシベリア抑留など挙げられる。本作が「ヒトラーの忘れもの」であるとすればシベリア抑留などは「忘れられた日本人」であろう。
子どもたちに戦争を語るとき、戦中ばかりがクローズアップされがちであるが、戦後のことも語っていく責任が大人にはある。
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