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ヒトラーの忘れもののGUMIのレビュー・感想・評価

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)
3.9
一瞬で命を落としかねない緊迫感と、彼らが地雷と向き合わなければならない理不尽さ…目を背けたくなる。


終戦後、デンマークの海岸線沿いにドイツ軍によって埋められたままの地雷を取り除いたのはドイツ人の少年兵だった。

少年"兵"と言っても訓練を受けた地雷処理専門の兵士ではない。手順を短時間で叩き込まれた10代の少年らが従事させられただけである。唯一の希望は「地雷除去が終われば家に帰れる」ということだけ。

「1時間に1人6〜8個除去すれば3ヶ月で帰れるぞ」
地雷を特定するべく素手で砂を掻き分け小さな震える手で信管を抜く。十分な食事も与えられず、体調が悪くても1時間の休息すら許されない。
地雷と毎日向き合う中で幼い少年たちの精神が常に安定しているはずもなく、一瞬の不注意や予想外の出来事で寒々しい浜で命を落としていく…
日を追う毎に生気を失っていく少年らの瞳が悲痛。


観るまでにかなりエネルギーの要る作品でやっと観る決心がついたのだけども、最後まで観るのも大変。作品としては短い部類なのに地獄のような時間。

こんなマイルドな題名にしなくちゃ観てもらえないとの判断なのかな…
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