黒柴

アンダーカバーの黒柴のレビュー・感想・評価

アンダーカバー(2016年製作の映画)
3.4
これ程、事前情報が少ない映画も珍しい(๑˃̵ᴗ˂̵)配給会社が力が入ってないのか?観たい人もたくさんいるはずなのに。

KKKへの浸入捜査として1人のFBI捜査官が組織へと潜伏する。アメリカの差別主義的な組織を描く映画と言えば、アメリカンヒストリーXを思い出すが、あんな過激な場面は控え目であり、人間の差別感情を炙り出す事に徹底した様だ。観る人に取っては退屈かも知れない。

人間誰しも少なからず持っている差別感情、人間は差別する事で自分を優位に立たせる動物である。アメリカの根深い人種差別を愛くるしい顔したダニエルラドクリフがどう演じるか?はずっと興味があったが優しい顔が災いして、どうも迫力に欠けるm(_ _)mホワイトパワー!と拳を振り上げるラドクリフにも目の狂気が感じられない。

アメリカンヒストリーXが「動」ならば本作は「静」な映画。しかし終盤の元メンバーの1人が「景気が悪いのは黒人のせいだ!と常に黒人のせいにしていた」と語っていた。現アメリカ大統領、フランス大統領選に立候補してる女性党首と世界の指導者は景気の悪さを外側に攻撃の矛先に向けている。劇中ずっとカギマーク、ヒトラーの思想と映像が流れてるが、いつの時代も他責にする指導者は常に出るのだなぁとしみじみ思う。

ラストもすんなり終わり過ぎて若干物足らなさが残る映画でした。なんだろぅ・・・組織の内紛にこだわり過ぎた為に、退屈な映画に仕上がってしまったのかも知れない。扱う題材がすごい興味深い話なのに勿体無さが残る映画でしたm(_ _)m
黒柴

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