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サム・ペキンパー 情熱と美学のSPNminacoのレビュー・感想・評価

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50年代から撮ってるけど、でもペキンパーといえば主に70年代を代表する映画作家という印象が強い。即ち、負け犬たちのヤケクソな情熱と美学のバイオレンス。このドキュメンタリーで関係者が語るのは、そんな反骨と闘争心そのままの雄々しい監督像と、アルコールやドラック漬けな素顔。そこにマチズモな理想とタフになれなかった現実の矛盾を見る。そして、それが70年代アメリカのイメージでもある。
登場するのはリー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、オーレン・ウォーツ、マックイーンと男臭い顔ばかり(アリ・マッグローも結構男臭い)。彼らも映画自体も好きだが撮影裏話は今じゃアウトな案件だし、ペキンパー美学に憧れたであろう映画青年への影響もあんまり手放しで共感できないものがある(監督のバンダナ姿ってペキンパーが元祖?)。結局マチズモなロマンは敗北してしまったからこそ、美しくノスタルジックな幻想として残るのだ。
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