実際に起きた事故を元にした映画なので大体は分かっているので、そんなに感情面で響く事は無いなと思っていました。しかし、冒頭の穏やかな日常がこれから壊れて行くのを逆に知っているから悲壮感を感じました。現場に着いてからの展開もここで誰かが気付いていればとかタラレバを考えて焦燥感に駈られます。
事の始まりを丁寧に描いているので事故が起きるまでが少し長いような気はする。逆に事が起きてから脱出迄はハイテンポであっさりしてしまっているような気がします。事故の地獄絵図のような惨状は圧巻で迫力が凄い…刻一刻と迫る命の危機を顧みず必死に奔走する作業員達には感服しかないです。
ジョン・マルコヴィッチがBP社の利益優先安全度外視のクズ管理者を演じていますが、この人はこういう役をやらせるとホントに上手い。理論武装で演説するシーンなんか滑稽でホントに腹立ちます。他の社員なんかも「下がれ俺たちが先だ」とかホントにクズ…。こんな人達が不起訴とかどうなっているんですかね…。もうちょっと事件のその後を描いて欲しかったですね。
脚色も結構されているんでしょうけど事実を元にした映画として、ドキュメントの部分とエンターテイメイントの部分が上手く噛み合った良質の映画と思います。
