イチロヲ

妖艶毒婦伝 般若のお百のイチロヲのレビュー・感想・評価

妖艶毒婦伝 般若のお百(1968年製作の映画)
3.7
浅草見世物小屋の花型芸人・お百が、江戸幕府に送られる金塊の強奪作戦に加担したことにより、急転直下の人生を辿ることになる。夜鷹の母によって産み落とされた薄幸美人の数奇な運命を描いた時代劇。68~69年にかけて全3作品が製作されているが、正当な続編モノというわけではない。

本作では、毒婦であることに無自覚だった主人公が、「毒婦であることを自覚するまでの過程」が語られている。

世の中に蔓延している不条理に翻弄されて、世間ズレすることにより、女仕置人としてのスキルが目覚めるというスタイル。見世物小屋の軽業師だったのが、伏線として活きてくるのが巧い。

雷鳴が轟くのなかでの殺害シーンと、敵陣への潜入のくだりで流れる前衛音楽がインパクトあり。「この女が毒だと分かっているのに、自分の欲求をどうしても抑えられない」という人間心理がリアルすぎて、もはや笑えないレベルにまで達している。