ピュンピュン丸

山口組三代目のピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

山口組三代目(1973年製作の映画)
4.7
「こんな映画作っていいのんでっか!」
高倉健演じる山口組三代目組長『田岡一雄』の最後の〆の言葉を真似させてもらうのなら、私はそういいたい!
青少年をまどわす、田岡一雄崇拝の英雄伝説。これじゃ、「巨人、大鵬、玉子焼き」ならぬ、「巨人、大鵬、山口組」になりかねない!(>_

田岡一雄の苦労話から始まり、彼の仁義や友情を大事にする生きざま、そして正義感の強さが目立つ。でも、暴力で解決していくからね。そこのところを説明しないと、青少年は憧れるよ。

子供のころ、マイケル・ジャクソンが後楽園に来て、その興業主が『山口組』ときいて、スゲーと思ったことあったが、この映画で山口組が、相撲やボクシング、芸能界の興業を成功させながら大きくなっていく姿が描かれていて、勉強になった。

映画の出来が思いの外、ヨカッタ。一つひとつのシーンが、カット割というのかな、「画」になっていて、素晴らしい。雪、電車、船着き場、鳩の使い方に舌を巻いた。(+_+)

高倉健はやっぱ、軍人よりコレだね。昭和残侠伝①並みの素晴らしさ!

最後の菅原文太との死闘は必見。
青大将も、いい先輩を演じていた。

山口組はブランディングが上手いのか、一流のイメージが子供のころから植えつけられている。阪神大震災のとき、政府よりも早く被災者に食料を配っていたというし。

映画は見応えあった。