ゆめちん

かごの中の瞳のゆめちんのレビュー・感想・評価

かごの中の瞳(2016年製作の映画)
3.5
かごの中の瞳

幼い頃、交通事故で両親と視力を失ったジーナは、優しい夫ジェイムズとタイのバンコクで幸せな結婚生活を送っていましたが、医師のすすめで角膜移植を行い、右眼の視力を取り戻します。

この映画はラブストーリーとか夫婦の絆とかではなく、"視力を取り戻す"という1つの出来事がきっかけで、お互いの心の奥底に潜んでいた感情の扉が開かれていく心理を、スリリングに描いた作品です。

内気で清楚だったジーナが、美しく華やかな女性に変わっていき、寛容で献身的だったジェームスが、彼女に疑いと嫉妬を抱いていく、その移り変わる過程と徐々にすれ違っていく様が、分かりやすく丁寧に描かれ、観るものの心に深く染みわたります。

ジーナ目線の映像が面白かった。
視力がない時はモヤが掛かりボヤッとした映像で不安な心情を、視力が回復するにつれ徐々に視界が開けていく映像で、光が差し込み喜びに満ち溢れる心情を、それぞれの魅せ方は好感が持てました。

コンサートからの含みのある結末は、観客に委ねられるのですが、今もモヤモヤしています。
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