ninjiro

レディ・プレイヤー1のninjiroのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
5.0
最の高だ!最の上だ!
スクリーンを見上げて呆気にとられたこと。
スリルに手に汗握り固唾を飲み込んだこと。
ワクワクして瞬きすら忘れて見入ったこと。
映画を好きになり始めた子どもの頃、目を輝かせた、心弾ませた記憶が圧倒的鮮度で蘇る。そうだよ、スピルバーグ。私達はあんたの映画が大好きだったんだよ!
私達がヴァーチャルリアリティの世界に生きるとして、仮想の世界を自らの脳で創り上げるとして、どんな世界を創造する?
きっとその世界を支配するのは、あの時、子どもの頃の興奮や感動の原体験だ。
皆んなで映画館へ出掛けて、キラキラした目でチケットを大事に握り、シートに座って照明が落ちるのを待つまでの期待感。スタッフロールが流れても殆どの人が席を立たず、饐えた匂いの漂う粗末な場末の劇場で自然発生的に拍手喝采が起こったことだってあった。映画館のすぐそばの喫茶店で皆んな揃いで買ったパンフレットをめいめい開きながら興奮を分け合った。皆んな映画が大好きだった。もう一度言う、皆んな映画が大好きだったんだ。

興奮して震えた。サプライズには身体ごと反応した。涙が溢れてとまらなかった。愛が溢れてとまらなかった。
スピルバーグのポップカルチャーに対する深い愛は、満席には程遠い劇場の中にも薄い煙のような目に見えるか見えないかの境目のような大気を醸成して、この大気に包まれた今ならこの空間の中の全員がお互い帰り際にハイタッチぐらいなら出来るんじゃないかって思った。思っただけだけど。
娯楽の王様が還って来た。身構える必要なんかない。頭なんか空っぽでいい。メチャクチャ面白かったね!そう言って笑いたい!
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