Hally

レディ・プレイヤー1のHallyのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.6
現実と仮想の狭間のつぼみ

"あの"時代に次々と生まれたポップカルチャーは今の時代においても計り知れない影響力を持つ。特に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は無視できない。劇場であの体験をした者たちが子供、又は下の世代に受け継いでいってる。親になった彼らが息子、娘に見せている。今なおオールタイムベストとしている方も多い。それを見て、もうすぐ20歳を迎える私は80'sを聴き、"あの"時代を通り過ぎて来た世代に強烈な、強烈な嫉妬を抱いている。近年 『GotG 』や『シング・ストリート』、ドラマでいえば『ストレンジャー・シングス』など"あの"時代を意識している傑作が多く生まれて来てる。そうなると尚更『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ブレックファースト・クラブ』、『スタンド・バイ・ミー』を劇場で体感したかったと思ってしまう。あの時代に生まれたかった。そんなことをいつも思ってる自分にとって今作はあまりにも衝撃だった。しかも"あの"時代に一時代を築いたスピルバーグが描いてくれた。この意味はとてつもなく、とてつもなく大きい。私にはオアシスの創設者ジェームズ・ハリデーの言葉1つ1つがスピルバーグの言葉にしか思えなかった。現実から逃げてもいい。でも現実だけがリアルなんだと…。その現実に立ち向かって疲れてしまったらこっちにおいでよと、それでまた頑張れって。

見るたびに新たな発見がある。"あの"時代の映画にはそんな共通の特徴があると勝手に思ってる。見るたびに作品が昇華していく。今作を"あの"時代の映画のように語り継いでいくには実際に体感した私たちがバラのつぼみを膨らまし、もっともっと大きな花にしてあげなきゃ。それで後の世代が何か感じて、今作を好きになってくれたらなんて幸せなことだろうか。

映画が好きで良かった。心からそう思えて嬉し涙が流れた。ずっと大切にしたい最高の、初体験でした。
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