マクガフィン

レディ・プレイヤー1のマクガフィンのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
3.3
2045年を舞台に、仮想ネットワークシステム「オアシス」開発者の遺産争奪戦を描く。

CGの人間の質感や肉感的な厚みが少ないことが、いい感じで現実とバーチャルの世界「オアシス」と対比となり、現実とバーチャルの世界を繰り返しながら並行して進む少年少女の冒険譚に。次第に血肉を得たようなCGキャラが実写に近づいて感じる模様が素晴らしい。

3つの鍵を集めるのミッション系で、「AKIRA」「メカゴジラ」「ガンダム」「ストⅡ」などの日本の様々なSFキャラやコンテンツがてんこ盛りで、疾走感を維持しながら贅沢な素材をタイトに纏めるアクション編集に感心する。近年、中国資本が幅を利かすハリウッドでは、懐かしさを通り越して逆に新鮮味を感じる。

最初のミッションは、AKIRAの金田バイクが疾走感溢れる動きやエフェクト的なダイナミックさと相性抜群で迫力満点。ミッションにはヒントがあり、それを解明してクリアを目指すが、金田バイク独自の特徴を活かすようなヒントの結末が全く関連しなく、一気に興醒めする。
他のミッションも取り立てて、クリアまでのアクションやオマージュを重視した演出でクリアした爽快感は感じないのが残念。版権使用料は発生していると思うが、オマージュやパロディの範疇にギリギリ納めるような演出は疑問に。

アクションはプロットポイントが満載で見ていて楽しいが、アクションの間のドラマパートでの冗長や心理描写の希薄さは如何とも。演出や編集の差が明確にあることは作品のバランスが崩れた原因になり、2つめのミッション開始の頃には、物語の展開が読めて「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」の同工異曲のように感じたが予想通りに。

鑑賞後にあれこれ考えると雑や粗さもありエンタメ映画としては140分は長い。しかし、純粋に楽しめることをモットーにして作られ、映画館で存分に楽しめたことはエンタメ映画で一番重要なことで、サービス満載なコンテンツと最新CG技術をあれこれ考えなく、唯々諾々に受け入れて楽しむが吉。