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レディ・プレイヤー1のpikaのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.5
神が本気出したら予想通り想像以上のスーパー娯楽傑作だった。
なぜ涙が出てくるのか理由なんてよくわからない、感極まったと言うようないい涙を流してスッキリデトックス映画でもあった( ;∀;)
メンズデーだったせいか中年の紳士方に埋もれての鑑賞となり、まさにこの作品の世代ど真ん中の方々と無言で共有できたことも素敵な思い出となった。皆一人で来ていたのか見終わっても無言、照明が付いてもシーンとしてる空間で、そそくさと去っていく紳士たちの背中を見ながら心の中では泣いているのかもしれない、などと想像しつつ、普段は私のほうが100倍くらい映画を見ているのに世代ど真ん中の家族が私以上に大興奮している姿を見て微笑ましく、アニメやゲームネタを教えてもらったりと家族間でオタクの張り合いして楽しかった笑

世代的には被っているから馴染みはあるけどゲームやアニメは生活の中で出会った程度の知識しかないので冒頭ではそこまでハマりきらないかも、なんて思ってたけど映画ネタもガンガンきたし、何よりオールタイムベストの作品のネタまで出てくるとは、ネタの範囲が広すぎて最高!
この作品に出てくるカルチャーだけに留まらず全方位のオタクを肯定している姿勢そのものに泣けた。
SNSやらネットやらの浸透を描きつつコミュニケーション不全のオタクがそのオタクたる知識を駆使していくカタルシスに燃え上がった。

画面的にごちゃごちゃしそうなのにドラマも含めスッキリ整理されていて見やすく、ストーリー自体がシンプルというところを抜きにしてもあちこちにブレずに軸がしっかりしている構成の上手さはさすが。
ベッタベタな王道ストーリーだったり、シリアスな展開でギャグや毒を注入してくるスピルバーグ印など、娯楽作とはなんぞや!の道筋的なものを作ってきた本人だからこその、その演出個性をもネタにして見つける楽しさの一つにしてしまってるイタズラ感もいやらしくてさすが笑

圧倒!圧巻!で見終わって脱力するような映画ではなく、140分という長尺にも関わらずあっという間に過ぎ、語りまくる体力を温存させておくような「軽さ」を残した余白のある作品であることも素晴らしく、引きの美学ではないけれども、目一杯ギッチギチにてんこ盛りにせず、泣かせても楽しませても感情の刺激自体には余裕を持たせてラフな楽しさに終始している塩梅がさすが本家本元だなぁと改めて感動した。
本編そのものには考えさせずに感覚的に楽しむことに重点を置いているので、子供が見ても体力的に疲れないし、観客それぞれが掘り下げるのか消化するのかを自ら選択できたり、この作品の中に出てきたサブカルチャーそのものを映画自体が体現しているかのようなアッサリとした濃厚さがさすがのさすがで、神がまた新たな伝説を生んだ瞬間に立ち会えたという感動も。

ツイッターとかであなたなら誰でプレイする?とあったので、私なら緋村剣心で行きます。和月ガンバー!
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