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レディ・プレイヤー1のDTAKのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.1
【そうだよこれだよスピルバーグ!】

ヴァン・ヘイレンのJumpで浮足立ち、続くレースシーンから最後まで心が持っていかれた。

まるで一緒にゲーム攻略をしているかのような感覚で、これこそ大きな画面(2Dで観てしまったので残念)で観るべき。

この時代、映像表現にはもはや度肝を抜かれる事はないけど、この全部盛り感よ!昨今のユニバース系の乱立のなかでは、イースターエッグ(これまた懐かしい表現)という設定が一枚上手か。
そしてアバターというシステムのお陰で、CGレンダリングもそこまでリアリティに寄せなくていいという・・・考えたな・・・!

AKIRAが!デロリアンが!タイ・ファイターが!HALOが!ニンジャタートルズが!エイリアンが!マインクラフトが!バットマンが!チャッキーが!キング・コングが!T-REXが!サンリオキャラクターが!アイアン・ジャイアントが(あの目パチ最高や!)そしてガンダムが!メカゴジラが!(などなどなどなど)

特に「俺は、ガンダムで行く!」と日本語で叫ぶ、終盤のアツいセリフに劇場で右隣に座っていたおっさん二人組が大泣きしていた。ILMの最新CGで大暴れするガンダムとメカゴジラの戦いだなんて(そこまでファンではない)自分も何か胸にアツいものが込み上げてきたくらい。

もともとB級の話の作りなのでツッコミは野暮ではあるが話のプロットで気になることが2点。

一つは「アバターがどんなにキレイどころでも実際はデブのニートかもしれない」ってところが活かしきれてなかった。結局メインは美男美女やないか(エクスキューズとしてのあの火傷後も大したことないぐらい)ってこと。一応エイチがそのオチ担当ではあるが、そこを主役級に持ってこれなかったのかってことだ。後年、今作と近いプロットと設定で大ヒットした『ソードアート・オンライン』のアニメのダメな部分ではあった。

もう一つは、「結局、リアル(愛とか友情)が大事だから、ゲームもそこそこにしとけよ」という安易な結論で終わったということ。
今回、現実逃避としての存在のゲーム、ということでしか<オアシス>を描けていない。
「そこで育んだコミュニティやら得た報酬やらはちゃんと意味がある」というのを明確にして欲しかったが求め過ぎか。
下手すると「アバターとか全部脱いで個人情報を晒しあう中でこそ、コミュニケーションの本質、それ以外は偽物」という暴力的な結論を導き出してしまうくらいだ。

一瞬だけでいい、一瞬だけでもいいからオアシスは「英語onlyではない」という描写が欲しかったかなー。例えばリアルタイムで翻訳されている、とか。。。。
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