塚本

レディ・プレイヤー1の塚本のレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
2.0


この話の骨格って「チャーリーとチョコレート工場」ですよね。
ウォンカのチョコレートに封入されてる5枚のゴールドチケットを巡っての大チン騒動…からのウォンカ・チョコレート工場の経営権の争奪戦。

ウォンカは父親との葛藤を抱えていますが、本作は友人。。。そして恋人。
どちらも、彼らのトラウマを癒す(寄り添う)ことが出来た者が勝者になる、という点も同じです。


…ただ…版権をクリアしまくっての怒涛のキャラ全部盛りに対して、さほど(80'sドンピシャ世代やけど)感慨にふけるということはなかったんですよね。
なんか…出落ちだけでオールOKみたいな…。まぁ、それこそを狙ってやっているんだとは思うんですが、80年代サブカル・カタログをペラペラ見せられてもなぁ、、って感じです。

そもそもこの話、どこに持って行きたいのかもあやふや。
主人公のモチベーションがはっきりしないので、お宝ゲットの冒険譚も薄っぺらい。
対する悪役方もたいして迫力があるわけじゃなく、オアシス相続のために右往左往するだけのおバカさんなので、お宝争奪戦にも全く緊張感がありません。

結局、主人公が勝利して得たものはオアシス相続権と、リア充…現状維持プラスαってところ。
リアルな涙は溢すが、リアルな血は流さない。
成長するためのスクラップ&ビルドのカタルシスがない。

これなら同じゲーム内で展開していくドラマとしては「シュガー・ラッシュ」の方が断然良くできているんじゃないでしょうか。

それと、同じディストピアものとしては、「マイノリティ・リポート」が提示したヴィジョンの方に軍配が上がるのでは、と個人的には思うんです。

ひとつだけ思うのは、この作品スピルバーグの心情が反映されているってことです。
まぁ、今までも彼は作品に自己を投影してきたわけですが、今回は創造者としての己を…創造することの罪を、テーマにそっと忍ばせていたように思います。
宮崎駿監督作品の中での「風立ちぬ」の立ち位置ってとこですかね。

…俺のいちばんのツボだったネタは、「アニマルハウス」「初体験/リッジモントハイ」「ブレックファーストクラブ」の学校名の
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