スキピオ

レディ・プレイヤー1のスキピオのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.0
<21世紀の80年代大作アクション映画>

ド派手かつフレッシュなカーチェイスシーンは「こういうの俺がいまだにナンバーワン、だろ?」というスティーブン・スピルバーグ監督の言葉が聞こえてくるようだった!

既存キャラ引用は普通こういうのでは登場作品数の「底」や「限界」が透けて見えてしまいがちだけどそれが全くなかったのが素晴らしい。公開前から公式方面からの日本のアニメ・ゲームネタの引用ネタバレが多いのと、アニメ・ゲームだと日本のネタばかりでアメリカさんに分が悪いけどどうなんだろうと思っていたけど、そんなのは杞憂で瞬間瞬間の沸点の高まりはありながら、あるリスペクト溢れる「大ネタ」の前では、あくまで日本ネタはスパイスに過ぎなかったなと。ポスターに出ている作品は序の口…!。

ゲーム内の作り込まれたシステムだったり面白い課金アイテムとか、かなり先の未来であっても「トレーラーハウス」は無くならないっていう「世界観」諸々は夢とリアリティがあって素晴らしいだけど、ただ主人公が神のように崇める仮想空間オアシス創設者ジェームズ・ハリデー、マーク・ライランスが好演し、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックを足して二で割ったようなカリスマが物語のかなり重要なキーになっているにも関わらず、冒頭サラッと説明されるだけで描写が浅いのがとにかく残念。その後ずーっとそれがネックになって我々観客がいまいちついていけなかったのが致命的だった。

とはいえ他社キャラクターの登場は、圧倒的知名度を誇る映画監督スピルバーグだから出来たことだろうし、必ずしも監督の知っている作品だけで固めない”ゆるさ”、スカッと楽しめる80年代的な絶妙な"深くなさ”が功を奏してよいバランスで仕上がっていたと思う。