モウドクウサギ

レディ・プレイヤー1のモウドクウサギのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.9
「ゲームは遊びじゃねぇんだぞ。命かけてんだ」とはよく言ったものだ。それに、VRやってる奴を側から見るのは面白いってのも、いち早く目をつけて作品に取り込んだのは脱帽だ。いまいち、ゲームの世界の話は緊迫感が薄れがちだが、ギャンブル依存症で破産する人間がいるわけだから、のめり込むと恐ろしい。今作は、バーチャル空間で、クリア不可能と思えるゲームにチャレンジしていくものだが、特に盛り上がるシーンで日本文化たる馴染み深いキャラや乗り物が登場し、他ジャンルの世界とミックスされていくところに陶酔感がある。権利関係といったクソめんどくさいのをよくクリアした上に、王道エンタメ活劇をやってのけた。今後のVRの進化に大いに期待が膨らむとともに、さらなるコンテンツ世界の深みを予感させる怖さもある。ブリッジオブスパイやペンタゴンペーパーズといった、硬派・社会派に行ったと思いきや、「本業」での神懸かった映画を観せられて、ただただスピルバーグには感嘆するばかりだ。
惜しむらくは、もう少し僕がボンクラで、もっと歳を食って30代後半から40代あたりだったら、さらに楽しめただろうに…。